バケツのそこが抜けている
バケツの底がぬけてるから、
どんな優しい言葉も愛のある言葉も、
底から漏れてって、
心に溜まることはありませんでした。
思いやりとか、
ふれあいとか、
なにその決まり文句みたいなの。
何も心に残らない。
お前何言ってんの？
心はからっぽで、
無意識に刃物やとげのある言葉を投げ返してた。
心にダメージをうけながら育つと、
心のバケツに底が出来ません。
いつも自分が悪いと思ってた。
存在することから悪いと思ってた。
いつも死にたいと思っていたし、
いつも自分だけが不幸だと思っていたし、
人の中で生きることが辛いし、
お酒を沢山飲みました。
お友達と仲良く遊ぶために、お酒を飲んでから待ち合わせ場所へ向かいました。
1人は嫌だからお酒を飲んだのに、
結果1人になりました。
何度も死のうとして、
痛いし、苦しいし、死ねませんでした。
どうにもならなくなった時、
苦しまずに生きることを選択しました。
この時も、お酒も大きな原因であるとは理解できてませんでした。
とにかく、ひとりじゃなくなれば........
この後、生きるために何をしたかと言うと、
お酒を飲みながらお見合いパーティーへ行きました。
前提としてお伝えします。
私は結婚すれば、
幸せになれる。
と思い込んでいました。
そうでない人は幸せではないという訳ではありません。
自分の思う幸せの形は人それぞれです。
望まない方もいる。
理由があって、できない。
という方もいるとおもいます。
私は、自分はそうなれば幸せになれると思い込んだんです。
話を続けますと、
お見合いパーティーで良い出会いとはいきませんでした。
しばらく這うように、頑張って外の世界へ通いました。
必死でした。
苦しみながら生きるのは嫌だ。
もう一人は嫌だ。
そんなことを思いながら、仕事が休みの日も、家からでかけていきました。
鬱が酷くなりました。
やりたくないことをやり続けていた事、
お酒を沢山飲んでいた事で、鬱が酷くなっていたと思います。
頑張ってお酒を飲みながら歩きました。
電車の中で、明るい時間も道端で、ハンカチタオルを缶に巻いて高い度数のものを飲みました。
体が床に張り付いて起きれない日もありました。
人それぞれ程度は違うと思いますが、
私はとてもつらかったです。
運良くしばらくして、
生きているうちに今の旦那さんと知り合いました。
とても優しい人でした。
今度こそ大切にすると思っているのに、
大切にしたいのに、
刃物のようなきつい言葉ばかり口から出てしまうんです。
大切にしたいのに傷つけてしまう自分の衝動に苦しみました。
また1人になってしまう。
しかし、彼はめずらしいひとでした。
投げられた刃物をかわしながら、
それを投げ返すことなく励ましてくれました。
私がアルコール依存症であることを気づいたのも彼です。
しばらくして、バケツの底が埋まり始める。
心に芯のような小さなコブができ始める感覚を覚えました。
それから、
言葉で傷つけようとする、
大切にしたいのに傷つけてしまう衝動はなくなりました。
これは旦那さんのお蔭です。
しかし、
それでも、お酒は止まりませんでした。
結婚してもお酒は止まりませんでした。
こどもができても、お酒は止まりませんでした。
おどろきました。
結婚して、こどもができて、
しあわせになれると思ったんです。
自分の想像した幸せになったと思ったのに幸せになれないんです。
お酒も止まらなかったんです。
アルコール依存症の方なら分かると思います。
お酒を飲み続けると家庭はどうなるか。
こどもを巻き込む危険な状態に陥り始めました。
そのあとAAに繋がり、仲間と知り合って、そこでやっと止まったわけです。
それでも1度スリップしてますが........
みんな簡単に幸せになってるとおもってた。
自分が幸せになれないのは、生い立ちのせいだと思ってた。
あなたは虐待を受けずにそだったもんね。
良かったね。
虐待を受けてたから、幸せになれないのはしかたない。
他人を不幸にしてしまうのは仕方ない。
そう思っていました。
今も、うっかりその考えがでてくることもあります。
その考え方で楽になれるなら良いんですが、
人生が上手くいかない理由をそこにむすびつけると、
短期的に気持ちが楽になることはあっても、
長期的に見れば何も変わらない。
それどころかどんどん心は落ちていく。
楽になりたい、
自由になりたいとおもうなら、
生い立ちのせいにして、
諦めてはいられません。
向き合うことを始めました。
自分の思う幸せを実現することは、
どんな家庭に生まれ育っても、
勝手に当たり前に実現されるものではなく、
自分なりの沢山の考えや行動の先、行動の過程にあるものなのではないかと思います。
うまくいかないことを、
仕方ないんだと諦めてはいられないんです。
自分から掴みに行くぐらいの気持ちで、
自分はちょうど良いのかなとおもいます。
今お酒を飲まずにいられてますが、
今でも感情の浮き沈みに苦しむし、
人と会話すれば、焦るし、反芻思考に陥りたくもなります。
それでも、一緒にそれまでも楽しみましょうといってくれる仲間がいて、
お酒さえ飲まなければ、家庭もだいたいは平和です。
私の過去は酷いもんでしたが、
やっとここまできました。
もう自分の周りの人を傷つけない。
自分の周りの人には幸せであって欲しい。
だから、
私は自分で自分を傷つけない。
自分で自分を否定しない。
自分を大切に生きようと思います。
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